« 2007年1月28日 - 2007年2月3日 | トップページ | 2009年8月9日 - 2009年8月15日 »

2009年8月 6日 (木)

横浜市教育委員会の自由社教科書採択についての抗議声明

2009年8月4日 
                   横浜市の教科書採択報告集会参加者一同
                   8・4横浜市教育員会傍聴者有志

 横浜市教育員会は本日(2009年8月4日)、平成22、23年度使用歴史教科書として、自由社の教科書を市内18採択地区中8地区で採択することを決定した。私たちはこの決定が極めて恣意的であり、市民だけでなく、国際的にも説明責任を果たすことなく行われたことに強く抗議する。

 自由社版歴史教科書は、登場以来、国内だけでなく海外政府からも繰り返し批判されてきた極めて問題のある扶桑社版教科書とそっくりな教科書である。この教科書は、古代史において伝承を史実と混同させるように扱い、日本の歴史を天皇中心のように描いている。また、近現代史においては、日本の植民地支配や侵略戦争を正当化・美化するいっぽう、日本の戦争の加害や被害についてはほとんど書いていない。戦争そのものを正当化し、日本国憲法を敵視する内容である。このような歪曲した歴史を子どもたちに刷り込むことによって、子どもたちを「戦争をする国」の忠実な国民に育てることをねらいとする教科書といわざるを得ない。

 また、自由社版教科書には、多くの間違いや国際常識に反する記述があることが指摘されている。2008年度の教科書検定において、文部科学省は扶桑社版と全く同じ記述をした自由社版に対して、少なくとも8か所の誤りを指摘し、修正させている。それでもなお間違いがあることが指摘されている他、生徒の実情を無視した本文や脚注の文字の小ささや、斜体、地色上の文字の読みにくさなど、自由社版は教科書としての基本的な条件を著しく欠いている。

 また、自由社版は現行の扶桑社版の内容を継承することを目的とし、内容もほとんど同じであるため、扶桑社は、「著作権者全員の了解を得なければ、この複製は、法律上、禁止されています。」などと警告を発してきており、提訴もあり得ると報道されている。
教科書採択に当たっては、複製権などの諸権利を侵害する可能性のない公正な教科書を選ぶべきである。
 また自由社に対しては、「新しい歴史教科書をつくる会」・扶桑社とともに、公正取引委員会に独占禁止法第2条第9条項および第19条に基づく「申告(告発)」が提出されており、教科書採択の公正確保の面でも問題のある教科書である。

 全国一の都市規模を有し、国際的な港都でもある横浜市が、このような自由社版教科書の問題点を考慮することなく採択を決めたことに対しては、国内だけでなく、アジア近隣諸国からも厳しい批判を受けるであろう。
 われわれ採択審議傍聴者、傍聴報告集会参加者は、横浜市教育委員会が、開かれた採択に逆行する「無記名投票」を行い、不公平な選定手続きによって、自由社版歴史教科書を採択した暴挙に対し、怒りをもって抗議する。われわれは、横浜市教育委員会がただちにこの採択を撤回するとともに、あらためて十分な調査研究に基いて採択をやり直すよう要求する。
                                以上

| | コメント (0)

« 2007年1月28日 - 2007年2月3日 | トップページ | 2009年8月9日 - 2009年8月15日 »