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2010年5月14日 (金)

教科書配布裁判   一審敗訴

5月12日、教科書配布裁判の横浜地裁判決がでました。

 教科書配布裁判は、2006年3月に横浜市教委育委員会が、2005年の中学校教科書採択で市内候補になった教科書だけを、教員の教材研究用に全市立中学校に配布した件の
違法性を問う住民訴訟です。
 裁判は、住民監査請求を経て原告資格を得た後、配布費用の公金支出の違法性をめぐる訴訟として
争われてきました。

 この配布は、2005年度教科書採択で扶桑社を強く推した今田教育委員が、歴史・公民の候補教科書だけを配る提案をしたことがきっかけで行われました。背景には、当時使用中だったにも関わらず候補から外れた日書を排除し、候補に初登場した扶桑社を全校設置する意図があったと推測されます。しかし住民がこの点を直接裁判で争うことはできないため、配布教科書購入の違法性を問う形で提訴したものです。
※その後、2009年度の横浜市の自由社採択は、この今田委員の主導で行われました。

 判決では、教科書購入費用の損害賠償は却下、教科書採択の公正侵害の有無については棄却となり、原告の主張は認められませんでした。とはいえ教育長による「候補教科書だけの配布」が適法であったかどうかの本論部分に切り込むことはできました。
 判決は、教育長の裁量を広く認め、違法性のハードルを極めて高くしています。費目は「採択費」、目的は「採択事業」として会計処理されていても採択に関係ない支出であったとか、全てが同じでなければ旧版と同じとは言えない・・など、現実とかけ離れた判断もあります。

 今後は舞台を東京高裁の控訴審に移し闘っていきます。皆さまのご支援をお願いします。

※争点についての判決の要旨(文責:佐藤)、記事は以下の通りです。

<結論>
・伯井教育長(当時)に対する損害賠償、総務部長、総務課長に対する賠償命令は、不適法であるから却下
・原告らのその余の請求は理由がないから棄却

<配布の適法性の有無について>
・教育長の判断が、裁量権の範囲を超えるか濫用にあたる場合に限り違法
・「教科書採択費」の事業予算から支出されたが、これは05年8月の採択審議で
だされた委員の意見をきっかけにして実施されたからで、目的は教材研究である。
・改訂版がすべての点で旧版を踏襲するわけではないこと、答申に「聞き取り調査」の文言が出てくるがその結果が記載されているわけではないこと、
配布は各教員の手元ではなく各校1部であることから、次回採択への影響はない。

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<新聞記事のため転載禁止>

歴史教科書訴訟 原告の請求棄却
(朝日新聞 2010年05月13日朝刊)

  横浜市教育委員会が06年、「新しい歴史教科書をつくる会」主導の歴史教科書などを、教材研究用として各中学校に配ったのは違法だとして、市民33人が横浜市長を相手取り、当時の市教育長に約380万円の損害賠償を請求するう求めた訴訟の判決が12日、横浜地裁(佐村浩之裁判長)であった。「資料の配布は教育長の裁量で、選び方も合理的根拠があった」と述べ、原告の訴えを退けた。
  市教委の05年の教科書選定で、「つくる会」主導による扶桑社版の歴史、公民教科書は不採択となった。一方、市教委は市審議会が候補として挙げたが、市教委が不採択とした複数社の教科書を、06年3月に「教材研究用」として全中学校に各1冊配布。その中に扶桑社版も含まれていたことから、市民らが「特
定教科書を配るのは公平を失する」と訴えていた。
  判決は「審議会が候補とした教科書のみを研究用としたのは合理的。殊更に扶桑社教科書を配布する意図があったとはいえない」と指摘した。

http://mytown.asahi.com/kanagawa/news.php?k_id=15000001005130004

教科書配布訴訟で原告側敗訴
(神奈川新聞 2010年05月13日) 

横浜市教育委員会が2005年度に研究用に一部の教科書を購入、市立中学校に配布したのは採択の公平性を侵害し違法支出として、元教師らが市長を相手に、当時の教育長に対し賠償請求するよう求めた訴訟の判決で、横浜地裁(佐村浩之裁判長)は12日、訴えを却下、一部を棄却した。
 判決は「次回教科書採択で、今回配布対象とならなかった教科書出版社に、看破しがたいほどの不利な影響を及ぼすものとは認められない」とし、配布は適法とした。

教科書配布費返還訴訟:原告の請求棄却 「裁量権の範囲」--地裁 /神奈川
(毎日新聞 2010年05月13日朝刊)

 横浜市が市立中学に「研究用」名目で一部の検定済み教科書を配布したのは「特定の出版社を優遇することで公平性を欠き違法」として、横浜市の市民団体「公平な教科書配布を求める会」が横浜市長を相手に、配布にかかった約380万円を返還するよう求めた訴訟で、横浜地裁は12日、請求を棄却した。判決で
佐村浩之裁判長は「市側に裁量権の範囲の逸脱があったとは評価できない」と退けた。【山田麻未】

http://mainichi.jp/area/kanagawa/news/20100513ddlk14040306000c.html

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