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2011年9月 1日 (木)

八重山の採択についての沖縄戦首都圏の会  声明

                                                                2011年9月1日
声明
           八重山における育鵬社版公民教科書採択に抗議する

 「大江・岩波沖縄戦裁判」を担ってきた私たちは、今回の沖縄県・八重山地区の中学校社会科における育鵬社版公民教科書採択について抗議し、その撤回を求めます。
 中学校の社会科公民的分野は、日本国憲法の三大原則である国民主権、恒久平和主義、基本的人権の尊重を学び、現代社会のしくみを学ぶ教科です。その憲法理念は、沖縄戦で多くの犠牲を強いられた沖縄県民の願いと合致しており、国内の75%の米軍基地が集中することによって発生する様々な被害の根絶と人権の尊重を願う沖縄県民の源泉ともなっています。
 8月23日、教科用図書八重山採択地区協議会は2012年度から同地区内公立中学校で使用する社会科公民教科書について、育鵬社の教科書を選択しました。沖縄戦で戦争マラリア被害が出ている八重山地区において、つくる会系の歴史教科書採択が危惧されていたなかでの決定です。文部科学省の教科書検定を通過したという点のみで育鵬社教科書を是認する反応もありました。育鵬社版歴史教科書には沖縄戦「集団自決」の記述は「米軍の猛攻で逃げ場を失い、集団自決する人もいました」とあり、米軍が「集団自決」に追い込んだとされています。戦争マラリアに対する記述も当然ながらありません。
 高等学校長から転身した採択地区協議会長である石垣市教育長は、これまでの現場教員による調査員の順位付けを廃止し、選定を非公開で無記名投票にするなどの手続変更を行い、選定過程の透明性を後退させています。何より調査員の推薦がなかった育鵬社教科書を採択したことが他地域とも異なっています。
 異常な手続き変更に対し、つくる会系教科書採択を危惧した沖縄をはじめとする全国からの手続き遵守の要請に耳を傾けずに今回の決定を下しています。8月26日、石垣市教育委員会及び与那国町教育委員会は公民教科書として「育鵬社」を採択し、その後の報道からも石垣市、与那国町の教育長が事前工作していた事が明らかにされています。
 手続きの問題以外にも、育鵬社版公民教科書採択には、八重山地区に尖閣諸島領有をめぐる対中国の最前線を担わせる狙いがあり、自衛隊配備の心理的障壁を子どもの時期から取り払うために、「国民を守る自衛隊」を刷り込むという政治目的があったといわざるを得ません。育鵬社版公民教科書には、憲法の平和主義の項で9条解釈の前に「自衛隊は日本の防衛に不可欠であり」と記載されており、国際関係の項では「有事への備え」と見出しが立てられています。これは「国防意識」を育て、「戦争のできる国」にすることに他なりません。
 八重山地区採択協議会は、育鵬社の公民教科書採択を撤回し、民主的手続きによって採択をやりなおすべきです。このことを強く求めます。


    沖縄戦の史実歪曲を許さず沖縄の真実を広める首都圏の会
       〒101-0051 東京都千代田区神田神保町3-2 千代田区労協気付
                                               ℡ 03-3264-2905

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