2009年9月 9日 (水)

教科書採択に関する要望について(回答)   横浜市教委より  

                                                     9月3日付け
教科書・市民フォーラム  
代表世話人 高嶋伸欣 様 柴田 健 様

                                 横浜市教育委員会
                                  委員長 今田 忠彦
                  
      教科書採択に関する要望について(回答)
   
 平成22年度に市立学校で使用する教科書につきましては、関係法令や文部科学省、神奈川県教育委員会の通知や指導、および平成21年度横浜市教科書採択の基本方針に基づき、横浜市教育委員会の権限と責任において、平成21年8月4日の教育委員会定例会において、適正・公正に採択を行いました。
 また、採決についても、「横浜市教育委員会会議規則」の規定に基づき、適正に実施したものです。
          
                             担当:横浜市教育委員会事務局
                                 学校教育部小中学校教育課
                                              電話045(671)3265

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2009年8月 9日 (日)

教科書・市民フォーラム連続講座☆ 「今さら聞けない近現代史」

☆近代の歴史を楽しく学びませんか?

 今年は教科書・市民フォーラムの地元・ヨコハマの開港150周年です。これをきっかけに、初歩的な歴史のお話も含めた連続学習会を企画しました。今さら周りには聞きにくいかな、と思うような基本的なことから日本の近現代史を学び、良い歴史教科書がわかる機会にもなります。今さら聞きにくい初歩的なこともていねいにやるので「今さら聞けない近現代史」というタイトルにしました。教科書問題が続く中で、私たちは問題となる歴史教科書を見る目を養うこともできます。
 連続講座とはいっても1回のみの参加も可能です。講座ではみなさんに最近の教科書を知っていただき、また久々の?高校生気分も味わってもらおうと、本物の高校教科書をいろいろ取りそろえ、ご覧いただきます。またテキストにも使用します(会場でご購入できます)。

 ■会場:かながわ県民センター(横浜駅西口徒歩5分) 
   ・第1回 9月26日(土)711号室 幕末~自由民権運動
   ・第2回 10月24日(土)304号室 国会開設~日露戦争
   ・第3回 11月7日(土)305号室 大正デモクラシー期
   ・第4回 12月19日(土)304号室 昭和初期~15年戦争前夜

  このあと第5回:アジア太平洋戦争、第6回:戦後史と続きます。
  ■ 開場:13:30  1限:14:00~14:45 2限:14:55~15:40
     質疑:15:50~16:30
  ■テキスト:高校日本史A教科書  ■資料代:500円

○参加申込み・問合せは教科書・市民フォーラム事務局までお願いします!(ただし常駐体制ではないので、お返事に時間がかかることもあります。ご容赦ください)
       ★ 教科書・市民フォーラム ★ 連絡先:FAX 045-471-7270 

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横浜市教育委員会による「新しい歴史教科書をつくる会」自由社版の歴史教科書の採択に抗議し、採択の撤回を要求する (声明)

                                       2009年 8月 10日

                                 教科書・市民フォーラム
                           代表世話人 高嶋 伸欣・柴田 健
                         〒222-0035 横浜市港北区鳥山町
                                    1096-4―103
                                   Fax:045-471-7270

 横浜市教育委員会は、さる8月4日、「新しい歴史教科書をつくる会(つくる会)」編集の自由社版歴史教科書を市内18採択地区中8地区(港南・旭・金沢・港北・緑・青葉・都築・瀬谷、145校中71校)に採択した。私たちは生徒・現場教師や市民の声を無視したこの暴挙に対し怒りを込めて抗議し、採択の無効・撤回・やり直しを要求する。

 現在、「つくる会」の歴史教科書は、会の内紛により扶桑社版と自由社版の2種類が発行されているが、その内容はほぼ同一で、現在著作権をめぐって係争中である。このような問題を抱えている教科書を敢えて採択し、生徒に供するのは、教育行政として無責任極まりない。
しかも、これら「つくる会」の歴史教科書は、国民主権の憲法下で天皇中心の歴史像を強調し、日本の植民地支配や侵略戦争の本質から目をそらして正当化・美化し、生徒たちに保障されるべき基本的人権や恒久平和主義、国民主権を軽視して軍事力を重視している。また、現実追認型で、声をあげて意見表明する姿勢が育たない「物言わぬ市民」を育成しようとするものである。

 8月4日に開催された教育委員会では、「調査結果を重視する」との声が教育委員からあがりながらも、それらが無視されて、決められていった。さらに、今回の採決では、「横浜市教科書採択基本方針」に新たに全面改訂された教育基本法の趣旨に合致していることを加筆したにもかかわらず、自由社版以外の歴史教科書については、4年前の旧基本方針下での調査資料を流用して審議するという、不公平かつ不公正な手順で進められた。これは明らかに採択手続きの規定に反し、違法である。
 また、今回の採決は無記名投票で行われた。横浜市の教科書審議・採択は、従来から公開で行われ、なんら支障はなかったはずである。にもかかわらず、あえて無記名投票に持ち込むことは、公職である教育委員の責任を不明確にし、情報公開、「開かれた採択」に逆行する行為である。
 このようなやり方は生徒が使う教科書の決め方としてふさわしくない。横浜市はコンプライアンス(法令遵守)を重視する。この教育委員会の決め方は、それに違反したとして是正されなければ、市民に対する重大な信用失墜行為である。直ちに是正されなければならないし、今田教育委員長はその職を続けるべきではない。

 また今田教育委員長は自由社版教科書について、「日露戦争の記述では愛情を持った表現が多かった」と発言したと報じられている。このような意味不明な、また一方的な見解が教科書採択の主な要因にされた点は、見過ごせない。日露戦争の「勝利」は一時的にアジアの人々に希望を与えたものの、その後の「脱亜入欧」的政策が、多くのアジアの人々に裏切りと見なされ、怒りと失望を覚えさせた史実を忘れている。この史実が他社の教科書には明記されている。とても教科書採択に権限を持つ人物の発言とは思えず、この教育委員長と自由社版教科書がアジアを蔑視し、アジアの人々の懸念を無視する共通性を持つことが見えてくる。国連ピースメッセンジャー都市であり、多くの民族が共生している横浜市においてこのような暴挙が行われたことは、これまでの市民の努力を踏みにじり、そして共生を妨げる恐るべき人権侵害にもつながることに気づくべき
である。何よりも生徒たちの教育の場にこのような教科書を無理やり持ち込もうとすることに怒りを禁じえない。

 さらに自由社版教科書は、扶桑社版から急いで起こしたような製版で、これまでの間違いに加えて、新たな不適切な内容や誤字誤植がまだまだ多数ある「似せブランド品」ともいうべき欠陥商品である。これで検定を合格させた文部科学省の責任にも重大なものがある。
 とりわけ、扶桑社版の沖縄戦記述「4月、アメリカ軍は沖縄本島に上陸し」に続けて、自由社版では「ついに陸上の戦いも日本国土に及んだ」と加筆し、それがそのまま検定で認められたのは、重大な事実誤認記述であり、看過できない。第1に、国土での陸上戦は、同年2月に始まった硫黄島(東京都小笠原諸島)の地上戦が最初であり、沖縄戦ではない。第2に、沖縄の地上戦は、本島上陸以前の3月26日に慶良間諸島への米軍上陸から始まっている。しかも、慶良間諸島では、この時「集団自決」事件が起きた。この「集団自決」に対する日本軍の強制を否定した2006年度高校「日本史」教科書検定に対し、沖縄県民を中心とする厳しい抗議を受けて、07年12月に文部科学省は、記述の再修正を認めた経緯がある。この「集団自決」の存在そのものを無視した記述を、07年次と同じ顔ぶれの検定官および検定審議会委員たちが誰一人として気づかずにいたとは、考えられない。「集団自決」そのものだけではなく、07年の沖縄県民の抗議等も存在しなかったかの如く、中学生に学習させようとしている点で、自由社版教科書は最悪のものである。同書を採択したことは、沖縄の人々に対する重大な背信行為である。
 このように、自由社の教科書では中学生の段階で、沖縄戦について誤った学習をさせられることになる。神奈川県では、高校の修学旅行で、沖縄に行き平和学習を実施している学校が多いことが知られている。中学段階でも、沖縄戦の史実を正しく学習できるようにしておくことは、教育委員会の責務であるはずだ。

 かつてこの横浜で提訴した高嶋(横浜)教科書訴訟を担ってきたわれわれとしては、以前から指摘してきた文部科学省の恣意的な教科書検定の問題点を目の当たりにして、このような杜撰な教科書検定なら不要であるとの指摘も改めてしておきたい。しかも、そうした誤りを指摘されていながら「検定に合格している」として、それらを一切不問とした8月4日の横浜市教育委員会審議は、容認できない。
 その文部科学省でさえ、「21世紀の教科書は思考力育成を重視して、すぐ答えや結論のみつかるものにしないこと」と通知しているが、教育委員会では「自由社版は問いの答えがすぐ書いてあって、予習・復習に適している」というレベルの低い議論に終始したことも問題である。

 また今回の採択には疑惑の声を聞く。横浜市教育委員会の今田忠彦委員長と藤岡信勝「つくる会」会長が何回も会い、自由社採択の内諾を得ているという情報が事前に流れ、教育委員会にも知らされていたという。このような疑惑が生じる教育委員長が教育行政のトップに君臨していることは、現場教師や市民無視の「教育改革」を進める横浜市の問題点を如実に示している。また教科書執筆者と採択者が接触することは独占禁止法に違反し、文部科学省の指導にも反している。 今回の採択は不公正・不正な犯罪的行為といえる。またやはり市民および現場教師等の声を聞かずにトップダウン型で横浜の教育をかき回してきた中田宏横浜市長の任命責任も当然問われるべきである。

 生徒たちの教育に責任を負う教育委員会が、政治的で乱暴なやり方で「つくる会」教科書自由社版を採択したことは、大人として極めて恥ずべき行為である。私たちはこの暴挙に対し、断固として抗議するとともに、採択の無効・撤回・やり直しを要求するものである。               以上

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2007年1月30日 (火)

NHK番組改編事件の高裁判決

皆様

 昨日、NHK番組改編事件の高裁判決が言い渡されました。判決は、バウネットが主張してきた「期待権」と「説明義務違反」を認める画期的な判決でした。判決直前まで、どのような判決になるのか全く予想でき
ず、不安で押しつぶされそうな気持ちでその瞬間を待っていましたが、「勝訴」を聞き、かつて経験したことのない喜びが体の底から沸き起こってきました。
 勝訴判決を勝つ取ることができましたのは、一重に皆様の力強いご支援・声援があったからです。心から心から感謝いたします。
 また、早くから傍聴に駆けつけてくださいました皆様、そして、夜の報告集会に駆けつけてくださった皆様、この喜びをたくさんの皆様と共にできたことを、大変嬉しく思います。本当にありがとうございました。

 以下、判決の内容についてポイントに絞ってご報告します。

■注目点
 バウネットはこの裁判で「期待権」(信頼利益の侵害)と「説明義務違反」を法的根拠としてNHKらの責任を問うてきました。しかし、「期待権」(信頼利益)は今までに判例がなく、どこまで被取材者の「期待権」が認定さ
れるか、また、NHKはガイドラインに掲げた説明義務は法的拘束力はないと主張してきたので、番組が変更されたことについて説明を怠ったことが「不法行為」として認定されるかということが最大の注目点でした。その
上で高裁の最大の争点である政治介入問題が「編集の自由」との関係でどのように判断されるかということでした。

■「編集の自由」について
 一審判決は、NHKの改変について「編集の自由の範囲内」としてNHKの責任を不問にし、番組制作会社のドキュメンタリー・ジャパンがバウネットに期待を抱かせたことのみを不法行為として100万円の賠償支払いを命
じました。しかし、今日の東京高等裁判所の南敏文裁判長は「NHKの本件番組の制作・放送については、憲法で保障された編集の権限を濫用し、又は逸脱したものといわざるを得ず、放送事業者に保障された放送番組編集の自由の範囲内のものであると主張することは到底できない」と、NHKの「編集の自由」を「濫用」「逸脱」と断じたのです。
 バウネットは裁判の中で、「編集の自由」は無制限に放送事業者に与えられた権利ではなく、「特段の理由」がある場合は制限されるものだと主張し、今回の改変に於いての「異常性」を立証し、今回のケースは「特段の事情」に相当するものであると主張してきました。判決はバウネットが主張してきた「特段の事情(理由)」を認め、前述のような明快な言葉でNHKの責任を断じたのです。

■政治家の介入について
 判決で最も注目されたのは、政治家の介入が番組改編に影響を与えたことが認定されるかということでした。それについて判決は、「右翼団体等からの抗議等多方面からの関心が寄せられてNHKとしては敏感になっていたこと、折りしもNHKの予算につき国会での承認を得るために各方面への説明を必要とする時期と重なり、NHKの予算担当者及び幹部は神経を尖らしていたところ、本件番組が予算編成等に影響を与えることがないようにしたいとの思惑から、説明のために松尾と野島が国会議員等との接触を図り、その際、相手方から番組作りは公正・中立であるようにとの発言がなされたというものであり」と、NHKが政治家に番組について説明したことの状況を明確な言葉で指摘し、「松尾と野島が相手方の発言必要以上に重く受け止め、
その意図を付度してできるだけ当たり障りのないような番組にすることを考えて試写に臨み、その結果、そのような形にすべく本件番組について直接指示、修正を繰り返して改編が行われたものと認められる」と、政治家との面会が改編に繋がったこと、NHKが政治家に過剰に反応したことを認めました。
 NHKは判決に対するコメントで「政治的圧力は認められなかった」としていますが、これは誇張的誘導的な判決のすり替えです。政治家の話に過敏に反応して改編を繰り返したということは、NHKが政治家の話を圧力と受け止めたということです。NHKのこのコメントは、安倍・中川氏らに対する釈明以外の何ものでもなく、このコメントを見れば、NHKが未だ視聴者・市民ではなく政治家に顔を向けていることは明らかです。

■説明義務違反について
 バウネットは取材依頼時に説明された内容と違う番組を作るならば取材協力者に説明するべきであったと主張してきました。もし、放送されたような番組になることが分かれば、取材協力をやめることや映像の使用を拒否する選択肢もあったのです。そのため、説明を怠ったことによりバウネットの「自己決定権」が侵害されたと主張しましたが、それについて判決は、放送された番組がバウネツトに説明された内容と「相当かけ離れた内容となることとなった」と認定し、「バウネットは説明を受けていれば、自己決定権の一態様として、番組から離脱することや善処方を申し入れたり、他の報道機関等に実情を説明して対抗的な報道を求めたりすること等ができたが、被告らが説明義務を果たさなかった結果、これらの手段を採ることができなくなったのであり、その法的利益を侵害されたというべきである」と、説明義務違反を明確に認定しました。

 まだまだ書きたいことは沢山ありますが、是非とも、この判決を皆様にじっくり読んでいただき、皆様からも判決評価を頂きたいと思います。

■今後の運動提起
 NHKは即日上告したようです。高裁では制作現場の長井さんや永田さんにより生々しい改編の実態が証言され、改編の異常性は誰にも否定できるものではありません。判決の丁寧で詳細な認定に向き合おうとせず、更に争うというNHKの姿勢は、NHKが自ら政治家との強すぎる関係に決別する意思のないこと、放送の自律を自ら手放すものであることを示しています。
 皆様、どうか上告したNHKの姿勢に対して抗議の声を沢山寄せてください。また、素晴らしい判決を書いた南敏文裁判長に、感謝の声を寄せてください。裁判官に「圧力」が向わないか心配です。そのためにも、是非、市民の支持を伝えていただきたいのです。
 集会では、安倍氏に対する罷免要求などの動きを作るべきではという声もありました。また、不誠実なNHKの態度に対して、橋本会長の責任を問うべきだとの声もありました。バウネットとしても今後の運動について議論をしますが、皆様も、どうぞ、それぞれ声を上げ、行動を起こしてくださいますよう、お願い致します。

 皆様のご支援・ご声援に、心から感謝をこめて        西野瑠美子

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