2011年7月 3日 (日)

教科書採択に関わる横浜市長ならびに横浜市民への共同アピール

 2011年度横浜市中学校歴史教科書・公民教科書採択が今年8月に行われます。私たちは、この採択にあたっての市教育委員会のここ2年間の正常を欠く独断的措置の数々を検討してきた立場から、市教育行政と今後に実施される教科書採択作業経過に対してふかい憂慮をもつにいたりました。この立場から、市長ならびに全市民にむけて「共同アピール」を公表いたします。

20098月の採択によって、自由社版歴史教科書『新編 新しい歴史教科書』を市内18区中8区で使用することが決定され、20104月から8区の市立中学校で中学生が学ぶことになりました。

 公立中学校では全国唯一の事態であり、採択の経緯についても、不明瞭な事実が見受けられ、審議の過程に私たちは不信をもっております。この間、当教科書の教科書としての不適格な内容は、歴史学界の研究成果が無視され、不正確な記述が多々みうけられるところから、ひろく立証されて参りました。

 しかるに、市内外の批判に対して、教育長は、教員の教材研究と批判的検討を禁圧する「警告」を昨年428日に発し、教員への懲戒を意図する態度を明示しました。また、200910月には、あろうことか、「教科書無償措置法16条」の立法の精神に反して採択地区を全市一採択地区とする暴挙を決定し、県教育委員会に要望して正式決定となり、昨夏の小学校教科書採択から施行されました。

 市民団体が、一昨年秋以来、市内の全域で当教科書の内容を慎重に検討し、未来の日本の形成者たる成長中の世代にとって好ましくない「子どもたちに渡してはならない教科書」である、と認定し、その不当性を訴え、採択の再検討や教育委員長の辞任を求める請願と抗議署名をつづけて参りましたが、一切の請願や陳述は不採択・拒否されて今日にいたっておるとききます。

 当該教科書は、「日本国憲法」を制定時にさかのぼって、否定的に軽視・貶価し、現行憲法の精神に対して、「大日本帝国憲法」を条文にそくして懇切に説明しています。その上で教育勅語を紹介し、皇室と明治憲法への尊崇を説く異常なものです。戦前日本の植民地支配を美化し、悲惨な沖縄地上戦における住民の集団自決に日本軍の関与があった事実も記述せず、軍事国家の体質を一国の伝統として説示する異様な歴史観につらぬかれているのです。そのために、使用中の教科書では戦艦大和の写真を奈良の仏像と併記して映しだし、日本の伝統・文化の精髄とするとなっています。

 加うるに、それから2年後の今年は、自由社・育鵬社の2社から歴史と公民の教科書、計4冊が採択の対象とされており、市内全域で「偏向教科書」が採択され、市内のすべての中学生が学ぶ教科書としてつかわれる異常な事態を迎えかねない状況となっております。

したがって、今夏の中学校歴史教科書・公民教科書の採択にあたりましては、教科書取扱審議会の答申を尊重するとともに、記述、表現、内容の精査のうえ、将来の日本と横浜を背負って立つ中学生にもっともふさわしい教科書を採択されるよう、市長ならびに市民の皆様に、良識をもって存分のご尽力を下さいます様おねがいする次第でございます。

また、市教育委員会に対して、行政の情報公開とアカウンタビリティが重視される時代にふさわしい良識ある態度をつよく求めることを、付言いたします。

以上                             2011.6.24現在     

呼びかけ人 (五十音順)14

◆有村晃堂(静和書道会会長・鶴見在住) ◆岩井健作(明治学院教会牧師・戸塚区在勤) ◆大川隆司(弁護士・中区在勤)  ◆太田幸男東京学芸大学名誉教授・港北区在住) ◆小山内美江子(脚本家・鶴見在住)◆加藤千香子(横浜国立大学教育人間科学部教授・ 保土ヶ谷区在勤) ◆窪倉孝道(汐田総合病院院長・鶴見区在住) ◆後藤仁敏鶴見大学短期大学部教授・栄区在住)  ◆中西新太郎(横浜市立大学教授・金沢区在勤)  ◆林 博史(関東学院大学教授・金沢区在勤) ◆藤岡貞彦(一橋大学名誉教授・中区在住)  ◆前川雄司弁護士・東京合同法律事務所・鶴見区在住)  ◆水田嘉美(東海大学(体育学部)名誉教授・神奈川大学講師・神奈川区在勤) ◆吉田重信(元ネパール大使・青葉区在住)

賛同人 6/24現在 200人 (呼びかけ人+賛同人=214人)  

青木 孝(弁護士・中区在在勤)  秋葉繁夫(横浜国立大学非常勤講師・神奈川区在住)

秋吉隆雄(港南台教会 牧師・港南区在住) 吾妻雄次郎(駒澤大学名誉教授・青葉区在住)

安倍富士男(元日本体育大学女子短期大学教授・港南区在住) 安部 裕(JCJ事務局長・元日本経済新聞記者・港南区在住) 天野智允(金沢キリストの教会牧師・金沢区在住) 新井恵美子(作家・青葉区在住) 新井秀明(横浜国立大学教育人間科学部教授・港南区在住)

新井幸雄(太極拳指導者・旭区在住) 荒波 剛(詩人・港北在住) 粟屋憲太郎(立教大学名誉教授・青葉区在住) 飯田基晴ドキュメンタリー映画監督・南区在住) 伊賀川洪一(元川崎市立中学校校長・栄区在住)  井埼和夫(理事長・医師・神奈川区在住) 石川 昌一 動力伝達装置研究者・横浜平和委員会会長・鶴見区在住) 石畑良太郎(青山学院大学名誉教授・青葉区在住)  いだ・むつつぎ(詩人・神奈川区在住)  一楽重雄(横浜市立大学名誉教授・青葉区在住) 伊藤喜良(福島大学名誉教授歴史学・青葉区在住)  伊藤慎二(国学院大学講師・港北区在住) 糸岡 清一横浜国立大学非常勤講師・神奈川区在住) 稲生義隆 (弁護士・港南区在住) 井上恵美子(フェリス女学院大学教授・泉区在勤) 井上幸夫(弁護士・青葉区在住) 猪瀬浩平明治学院大学准教授・戸塚区在勤 ) 今井清一(横浜市立大学名誉教授・港北区在住) いわたとしこ(詩人・西区在住)  岩橋 宣隆(弁護士・中区在勤)   上杉 惇((盲目のランナー、ソウルパラリンピック4・障害者施設ジョイフレンズ所長・磯子区在住) 上野 正(東京大学名誉教授・中区在住)  内山勉(舞台美術家・神奈川区在住)

海老坪眞(元磯子の丘教会牧師 ・磯子区在住)  浮田徹嗣(横浜市立大学準教授・金沢区在勤) 大久保規矩夫(横浜指路教会・中区在住) 大西 進(作曲家・青葉区在住)  大野瑞男(東洋大学名誉教授・金沢区在住)  岡崎 晃(日本キリスト教団牧師・栄区在住)  岡田 尚(弁護士・中区在住)  小川利紘東京大学名誉教授・戸塚区在住)  小川房子(保育園園長・神奈川区在住)  尾毛佳靖子日本基督教団戸塚教会牧師・戸塚区在住)  小堤良一(彫刻家・鶴見区在住)  乙坂智子(横浜市立大学准教授・金沢区在住)  小野静枝(横浜の空襲を記録する会世話人・神奈川区在住)   小野塚知二(東京大学・経済学研究科教授・保土ヶ谷区在住)  小花和史弁護士・戸塚区在住

柿原惇子(社会福祉法人白百合会理事長・神奈川区在住)  片岡義貴(弁護士・中区在住)

勝俣 誠(明治学院大学国際学部教授・戸塚区在勤  鎌田武治(横浜国立大学名誉教授・磯子区在住)  唐﨑旬代(横浜YWCA元総主事・中区在住)  川井利長(神奈川大学名誉教授・港南区在住)  河上 茂(日本科学者会議東京支部・鶴見区在住)  川崎博通(社会福祉法人うしおだ理事長・鶴見区在勤)  川又昭(弁護士・港南区在住)  菊谷豊彦(洋光台菊谷医院院長・磯子区在住)   北川善英(横浜国立大学教授・保土ヶ谷区在勤)  北村嘉代(ムーミン保育園名誉園長・西区在住)  木村和夫(弁護士・神奈川区在住)  久保新一(関東学院大学名誉教授・港北区在住)  久保田宏(東京工業大学名誉教授・青葉区在住)

呉羽陽子(染色家・鶴見区在住)  黒崎羊二(まちづくりプランナー・旭区在住)  倉持和雄(横浜市立大学教授・金沢区在住)  小賀坂徹(弁護士・中区在勤)  後藤康仁(歯科医師・瀬谷在住)

斉藤和夫(海洋法研究所研究員・栄区在住)   坂雄一郎(弁護士・港北区在住)  坂本直樹(元南区区P連会長・南区在住)  佐久間裕子(歌人・神奈川区在住)  佐々木妙子(元港南区区P連会長・港南区在住)   沢井佳子(陶彫作家・青葉区在住)  沢田清美(にいはるびじゅつ主宰・緑区在住)    沢田 均(金属造形作家・緑区在住)   塩川祥子(元静岡大学教授・保土ヶ谷区在住)   塩野崎宏(神奈川県歌人会会長・港北区在住)  篠原久美子(劇作家・保土ヶ谷区在住)  柴田智悦(横浜上野町教会牧師・中区在住)  柴田順吉NPO神奈川県日本ユーラシア協会会長・中区在住)   嶋田陽子(医師・旭区在住)

島村 輝(フェリス女学院大学教授・泉区在勤)   清水 臣戸塚ルーテル教会牧師・戸塚区在)  柴田千穂子(保育園園長・神奈川区在住)    杉山紀一郎(元湘南看護専門学校講師・青葉区在住)   鈴木節子(俳人・磯子区在住)   鈴木敏子(横浜国立大学教育人間科学部教授・保土ヶ谷区在住     須田久(俳人・金沢区在住)   陶山和嘉子(弁護士・港北区在住)    瀬川 晶司将棋棋士・戸塚区在住)  善方裕美(産婦人科医・港北在勤)

大門正克(横浜国立大学経済学部教授・保土ヶ谷区在勤)      高橋 誠(医師・栄区在住)

高橋史山(新都山流尺八楽教授・西区在住)  高原孝正明治学院大学国際学部教授・戸塚区在) 武井共夫(弁護士・磯子区在住)    武田兵次郎(横浜長老教会・中区在住)   武田美智子(金沢国際交流ラウンジボランティア会代表・金沢区在住)   田代 博(筑波大学付属高校社会科教諭・旭区在住)   田島 茂(全日本年金者組合神奈川県本部委員長・旭区在住)   田中利一(元テレビプロデューサー・青葉区在住)   棚橋克郎(桜台南自治会会長・青葉区在住)   棚橋千鶴子(工房「ちづ」代表・青葉区在住)  千々和久幸(歌人・青葉区在住)   塚田弘道(浄土真宗僧侶・鶴見区在住)  堤 浩一弁護士・戸塚区在勤)  津田美千代(女優・瀬谷区在住)  津波古真人(画家・鶴見区在住) 寺原篤夫(科学者会議神奈川県本部・青葉区在住)  寺原和子(元品川区立保育園園長・青葉区在住)  登家勝也(日本キリスト教会横浜長老教会牧師・神奈川区在住)  豊田浩二(みどり野診療所所長・医師・緑区在勤)

中畝治子(日本画家・緑区在住)  中畝常雄(日本画家・緑区在住)  中西 繁(画家・中区アトリエ)  中林博志(保育園副園長・神奈川区在住)  中村 清(横浜磯子教会牧師・磯子在勤)  中村久子(NPO法人「ワーカーズコレクティブ・たすけあいぐっぴい」代表幹事・西区在勤)  中村雅雄(すずめばち研究家・保土ヶ谷区在住)  中森圭子(かながわ憲法フォーラム共同代表・金沢区在住)  中山弘正(明治学院大学名誉教授・港南区在住)  長尾演雄(横浜市立大学名誉教授・旭区在住)  長浜 正博汐田診療所所長・鶴見区在勤)  永岑三千輝(横浜市立大学名誉教授・金沢区在住)   長野富貴子(環境カウンセラー・旭区在住)  浪岡新太郎明治学院大学准教授・戸塚区在勤)  根木 宏(元芝浦工大助教授・鶴見区在住)  野末 浩之汐田ヘルスクリニック所長・鶴見区在)  野村弘光(会社役員・中区在住)

萩原伸次郎(横浜国立大学教授・戸塚区在住)  白 蓉子画家・鶴見区在住)  長谷川洋(横浜市立大学名誉教授・金沢区在住)  花川 柳愁(舞踊家・鶴見区在住)  濱野一郎(明治学院大学名誉教授・南区在住)  早川紀代(明治大学非常勤講師・青葉区在住) 早川和子(絵本作家・青葉区在住) 樋口優子(のむぎOCS保幼部園長・青葉区在住)  樋口義博NPO法人のむぎ地域教育センター理事・青葉区在住)  日夏露彦(国際美術評論家・青葉区在住)  平田澄子(元大学教員・百人一首研究家・中区在住)  姫田政雄(元横浜市従労組委員長・保土ヶ谷区在住)  平野惠造(葉山クリニック院長・栄区在住)  広畑成志(スポーツ研究者・港南区在住)   福田美鈴(詩人・「福田正夫詩の会」代表・西区在住)  福原真志(画家・港北区在住)  藤井昇三(電気通信大学名誉教授・港北区在住)  藤井建男 画家・鶴見在住)   藤江 容(医師・保土ヶ谷区在住)  藤川芳朗(横浜市立大学名誉教授・磯子区在住)  藤田 忠(国士舘大学文学部教授・都筑区在住)  不破励子(横浜憲法劇俳優・旭区在住)   逸見義典(日本福音ルーテル教会牧師・保土ヶ谷区在住)       谷弘二(横浜シオンキリスト教会牧師・瀬谷在住)    間喜久子(環境化学薬学博士・青葉区在住)  本間利夫(元横浜市立中学校校長・港北区在住)

谷栄一(造形作家・鶴見区在住)   前島 孝(医師・戸塚区在住)   前田みどり(バイオリ二スト・神奈川区在住)  前田 修(腹話術師・神奈川区在住)  前原祥子(武蔵野大学教授・港南区在住)   牧野邦久(横浜二ツ橋教会牧師・瀬谷区在住)  益田総子(ますだクリニック医師・磯子在住)  松井 務(聖坂養護学校校長・中区在住)  松井道昭(横浜市立大学名誉教授・港南区在住)   松川康夫(海洋学者・旭区在住)   松木 圓(演出家・鶴見区在住)   松崎甲平(九条の会・保土ヶ谷代表世話人・保土ヶ谷区在住)   松本郁代(横浜市立大学准教授・金沢区在勤)  真野通明徳入寺住職・青葉区)  丸山重威(関東学院大学教授・金沢区在勤)  湊 愛子音楽演奏家・鶴見区在住)   宮崎忠克(横浜市立大学名誉教授・磯子区在住)  宮田硯水俳句会主宰・中区在住)  村山和行(横浜市立大学準教授・金沢区在勤)  茂木節子神奈川県商工団体連合会婦人部協議会副会長・戸塚区在住 )  本宮一男 (横浜市立大学教授・金沢区在勤)  森下育代(さをり織KSG代表・南区在住) 森 卓爾(弁護士・港北区在住) 森 信幸(元全日本年金者組合委員長・南区在住) 守屋玉恵NPO法人こぶしの会理事長・港北区在住) 諸角せつ子(俳人・南区在住)  諸富隆子(特定非営利活動法人こぶしの会・日吉みんなの保育園園長・港北区在勤)

柳澤 悠(東京大学名誉教授 ・磯子区在住)  八幡港二(画家・旭区在住)  山川満利子(元バースあおば山川助産院・青葉区在住) 山口 徹神奈川大学名誉教授・神奈川区在勤

山崎昌甫(元和光大学教授・青葉区在住) 山田陽三(元全国児童相談所心理判定員協議会役員・戸塚在住)  山根徹也(横浜市立大学准教授・港南区在住) 横尾恒隆(横浜国立大学教授・保土ヶ谷区在勤) 吉池俊子(アジア・フォーラム横浜代表・鶴見区在住)  芳尾寛子(保育園園長・神奈川区在住))  吉川久治(千葉商科大学名誉教授・港北在住)  吉田朋子(マザーズジャケット代表・青葉区在住)  吉田 尚(環境地質研究者・青葉区在住) 依田康子(日本基督教団横浜本郷台教会牧師・栄区在住)   與安喜一元県立養護学校校長・金沢区在住

渡辺暁男(歌人・旭区在住) 渡辺英俊(日本基督教団なか伝導所牧師・南区在住)

和田一佳(現代アジア情勢分析研究会・青葉区在住)

なお、厳密に横浜市在住・在勤の方々に呼びかけてまいりましたが、元横浜市在住・在勤の方々7人からも是非と賛同のご意見が寄せられています。(この方々をふくめると219人)

吉川智教(横浜市立大学名誉教授・早稲田大学大学院ビジネススクール教授・元金沢区在勤)

矢吹 晋(横浜市立大学名誉教授・元金沢区在勤)

有光友学横浜国立大学名誉教授・元保土ヶ谷区在勤

今野宏元横浜国立大学講師・元保土ヶ谷区在勤)

伊藤成彦(中央大学名誉教授・元港北在住)

伊豆利彦(横浜市立大学名誉教授・元金沢区在勤)

ゆりはじめ(評論家・疎開問題研究会代表・元中区在)

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2010年7月30日 (金)

教科書採択を決定する横浜市教育委員会会議

今年度の教科書採択を決定する横浜市教育委員会会議は、8月の3日(火)あるいは10日(火)で検討されているようです。

規則では3日前までに告示することになっていますので、3日の場合は7月30日(金)、10日の場合は6日(金)に、公表・ホームページ掲載されることになります。
http://www.city.yokohama.jp/me/kyoiku/soshiki_info/teireikai.html

会議開催問い合わせ先 教育委員会総務課   電話 045-671-3240
教科書採択  〃        指導主事室 電話 045-671-3732

時間は、通常なら午前10時開始、傍聴受付は10分前までですが、変則になる可能性もあります。

今回は、学習指導要領の大幅改訂による小学校教科書採択であるだけでなく、横浜市内1地区化での初めての採択であり、手続きがどのように変わったのかに注目しなければなりません。

来年の中学校採択の手続きは、今年を踏襲するものと思われますので、是非おおぜい方に傍聴を呼びかけてください。

横浜教科書採択連絡会  事務局              電話 090-9293-8446

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2010年7月25日 (日)

教科書・市民フォーラム 紹介

子どもの教育を歪めることはゆるせない!

教科書・市民フォーラムに参加しませんか!     (高嶋教科書訴訟の後継組織です)

  ☆教科書を 子どもたちのために☆

教科書・市民フォーラム  http://kyoukasho.cocolog~nifty.com/
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  from YOKOHAMA-CITY

  ■教科書・市民フォーラムとは? 
 
 わたしたちは教科書を考え、取り組むグループです。
 子どもたちがどう学び、考え、育っていくかにはわれわれ大人社会が大事な役割を果たします。そうした子どもの教育を考える上で大事なことが、教科書です。私たちは子どもたちが多様な考え方を持つことを歓迎します。そのためには教科書が、習うだけのものではなく関心のあることを調べたり、考えたりすることのできる教育財であってほしいと思います。しかし教科書の置かれている状況は、そうしたわれわれの願いに応えてくれるものになっているでしょうか。最近は歴史認識や社会認識を育てるのに、あまりに学説からも離れたり、戦争や生命の意味を軽視するように感じられる教科書もあります。

 私たちの活動の母体は1993年から2005年まで続いた高嶋(横浜)教科書訴訟の支援にあります。現場の高校教師であった高嶋伸欣さんが執筆した教科書に不当な検定意見がつき、高嶋さんは教科書執筆を断念して家永教科書裁判に次ぐこの裁判を闘い成果をあげました。
 家永教科書訴訟では違法な検定意見が確認され、また高嶋教科書訴訟でも第一審では検定意見の違法が指摘されたり、審理の中で行政処分といえる検定意見が文書化されずに教科書調査官=検定官の頭の中にあるだけとわかったり、検定官が法廷での証拠調べで認めたことまで上級審判決が否定したりと、教科書検定や司法の判断にも大きな問題があることがわかりました。

■教科書問題3つの観点とは
 一般に教科書問題と言っても、その内容は検定・採択・配布と大きく3つの過程に分けることができます。
 私たちは、高嶋教科書訴訟を支援した時の経験から、特に検定の実態から、制度の問題性を多くの方々に知ってもらい、また異議を唱え是正を求めることを中心に教育問題についての認識を拡げていきます。ほかの2つの過程も政治的に歪められやすく、運動的にはここも重要です。

 子どもたちのおかれている状況には大きな問題があります。しかしその中でも子どもたちは成長しようとしています。その力を大きく育てるために市民が協力して、現在の問題点を知り、何をすべきかを提起し、状況を改善するため、私たちの会員になってください。できることから一緒に取り組んで生きませんか。

■まずは今の検定制度とその問題点はやわかり
 文部科学省の説明だけを聞くと検定制度は一見整っているように見え、また透明化されたように聞こえます。これまでも市民運動で改善された部分はあります。しかし、まだまだ問題と思われることはあります。

①検定意見の言い渡しは、1冊につきたった2時間。教科書会社の人はその間に、主だ    った部分の検定意見の意図を聞きだし、執筆者と相談しないと修正が間に合わず、合格になりません。
②修正表の提出期間は、35日以内ですが、正式に書類が来てからだと実質20日間だけ。時間が少ないから実質的に文科省の要求どおりになりがちです。
③検定意見への反論書提出期間もわずか2週間。合否がかかるので、ただ反論すれば すむものではありません。 ここでも実質的反論権は奪われています。
④よく20年前の検定よりも分かりやすくなったと新聞にも書かれますが、現行制度は「一発検定」、修正しても最後まで合否がわからないので、どうしても自主規制が働いてしまうシステムです。

*このほか教科書調査官(検定官)が、その分野の専門家でないのに検定したり(現場経 験どころか、教員免許すら不要)、検定意見の大部分を検定官が作成しているのに、全て検定審議会が専門的学術的に検討して作成したと装っていたことなど、官僚の恣意的な  検定になっていることが指摘できます。

 さらに2007年の沖縄戦検定では、沖縄県民はもちろん、研究者や執筆者から学術的根拠を持って、検定意見の誤りを指摘しても、ついに検定意見は撤回されませんでした。それだけ行政は自己の非を認めようとしません。「主権在民」という当たりまえの原則が通用するように、私たちは活動しています。

■最近の教科書をめぐる動向は・・・。
○なんといっても問題は、1990年代半ばから大きくなってきた「第3次教科書攻撃」といわれる動きです。
 具体的には、「新しい歴史教科書をつくる会」によって、中学校教科書で扶桑社版教科書(今後は育鵬社と自由社から)が発行され、他の教科書では通らないようなミスだらけでも検定合格となり、歪んだ検定がされています。さらに2009年8月に横浜市では、教育委員長が参考意見や記名投票の規則を無視してまで特定教科書の採択をすすめたり、採択地区の細分化の文科省の指導に反して全市1区の採択をゴリ押しするなど、ルール無視の暴挙がおこなわれ始めています。教育基本法の改悪も手伝って、ますます教科書をめぐる状況は悪化しています。これに対し、各地の市民運動がネットワークを形成し、さまざまな動きを監視して請願や署名運動などの方法で、戦前のような非民主的な動きにブレーキをかける努力を続けています。

■教科書・市民フォーラムが取り組むこと 
○なにより私たちの願いは、子供たちが広い視野を持ち、自分自身と社会全体のことを考えられる主体性を修得するように育ってほしいことです。そのために大人社会ができることに取り組みます。どうかこうした活動や集会に参加し、あるいは精神的、経済的にも支えてください。
○以下のような具体的取組みをしています!
  ・年3~4回発行のニュースを送付します
  ・「昭和の日」を考えるイベント(4/29前後)
  ・総会+講演会(10月)
  ・連続学習会「いまさら聞けない近現代史」(11月~)
  ・そのほか、問題ある検定や採択などに対応しています!

入会申し込み、お問い合わせは・・・
  入会は郵便振替で下記口座までお願いします。
・口座番号:00240-6-95754 ・加入者名:教科書・市民フォーラム
  = 年会費2000円です =

教科書・市民フォーラム
 〒231-0012   横浜市中区相生町1-18 光南ビル
       FAX 045(263)9823      http://kyoukasho.cocolog~nifty.com/

          

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2009年9月 9日 (水)

教科書採択に関する要望について(回答)   横浜市教委より  

                                                     9月3日付け
教科書・市民フォーラム  
代表世話人 高嶋伸欣 様 柴田 健 様

                                 横浜市教育委員会
                                  委員長 今田 忠彦
                  
      教科書採択に関する要望について(回答)
   
 平成22年度に市立学校で使用する教科書につきましては、関係法令や文部科学省、神奈川県教育委員会の通知や指導、および平成21年度横浜市教科書採択の基本方針に基づき、横浜市教育委員会の権限と責任において、平成21年8月4日の教育委員会定例会において、適正・公正に採択を行いました。
 また、採決についても、「横浜市教育委員会会議規則」の規定に基づき、適正に実施したものです。
          
                             担当:横浜市教育委員会事務局
                                 学校教育部小中学校教育課
                                              電話045(671)3265

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2009年8月 9日 (日)

教科書・市民フォーラム連続講座☆ 「今さら聞けない近現代史」

☆近代の歴史を楽しく学びませんか?

 今年は教科書・市民フォーラムの地元・ヨコハマの開港150周年です。これをきっかけに、初歩的な歴史のお話も含めた連続学習会を企画しました。今さら周りには聞きにくいかな、と思うような基本的なことから日本の近現代史を学び、良い歴史教科書がわかる機会にもなります。今さら聞きにくい初歩的なこともていねいにやるので「今さら聞けない近現代史」というタイトルにしました。教科書問題が続く中で、私たちは問題となる歴史教科書を見る目を養うこともできます。
 連続講座とはいっても1回のみの参加も可能です。講座ではみなさんに最近の教科書を知っていただき、また久々の?高校生気分も味わってもらおうと、本物の高校教科書をいろいろ取りそろえ、ご覧いただきます。またテキストにも使用します(会場でご購入できます)。

 ■会場:かながわ県民センター(横浜駅西口徒歩5分) 
   ・第1回 9月26日(土)711号室 幕末~自由民権運動
   ・第2回 10月24日(土)304号室 国会開設~日露戦争
   ・第3回 11月7日(土)305号室 大正デモクラシー期
   ・第4回 12月19日(土)304号室 昭和初期~15年戦争前夜

  このあと第5回:アジア太平洋戦争、第6回:戦後史と続きます。
  ■ 開場:13:30  1限:14:00~14:45 2限:14:55~15:40
     質疑:15:50~16:30
  ■テキスト:高校日本史A教科書  ■資料代:500円

○参加申込み・問合せは教科書・市民フォーラム事務局までお願いします!(ただし常駐体制ではないので、お返事に時間がかかることもあります。ご容赦ください)
       ★ 教科書・市民フォーラム ★ 連絡先:FAX 045-471-7270 

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横浜市教育委員会による「新しい歴史教科書をつくる会」自由社版の歴史教科書の採択に抗議し、採択の撤回を要求する (声明)

                                       2009年 8月 10日

                                 教科書・市民フォーラム
                           代表世話人 高嶋 伸欣・柴田 健
                         〒222-0035 横浜市港北区鳥山町
                                    1096-4―103
                                   Fax:045-471-7270

 横浜市教育委員会は、さる8月4日、「新しい歴史教科書をつくる会(つくる会)」編集の自由社版歴史教科書を市内18採択地区中8地区(港南・旭・金沢・港北・緑・青葉・都築・瀬谷、145校中71校)に採択した。私たちは生徒・現場教師や市民の声を無視したこの暴挙に対し怒りを込めて抗議し、採択の無効・撤回・やり直しを要求する。

 現在、「つくる会」の歴史教科書は、会の内紛により扶桑社版と自由社版の2種類が発行されているが、その内容はほぼ同一で、現在著作権をめぐって係争中である。このような問題を抱えている教科書を敢えて採択し、生徒に供するのは、教育行政として無責任極まりない。
しかも、これら「つくる会」の歴史教科書は、国民主権の憲法下で天皇中心の歴史像を強調し、日本の植民地支配や侵略戦争の本質から目をそらして正当化・美化し、生徒たちに保障されるべき基本的人権や恒久平和主義、国民主権を軽視して軍事力を重視している。また、現実追認型で、声をあげて意見表明する姿勢が育たない「物言わぬ市民」を育成しようとするものである。

 8月4日に開催された教育委員会では、「調査結果を重視する」との声が教育委員からあがりながらも、それらが無視されて、決められていった。さらに、今回の採決では、「横浜市教科書採択基本方針」に新たに全面改訂された教育基本法の趣旨に合致していることを加筆したにもかかわらず、自由社版以外の歴史教科書については、4年前の旧基本方針下での調査資料を流用して審議するという、不公平かつ不公正な手順で進められた。これは明らかに採択手続きの規定に反し、違法である。
 また、今回の採決は無記名投票で行われた。横浜市の教科書審議・採択は、従来から公開で行われ、なんら支障はなかったはずである。にもかかわらず、あえて無記名投票に持ち込むことは、公職である教育委員の責任を不明確にし、情報公開、「開かれた採択」に逆行する行為である。
 このようなやり方は生徒が使う教科書の決め方としてふさわしくない。横浜市はコンプライアンス(法令遵守)を重視する。この教育委員会の決め方は、それに違反したとして是正されなければ、市民に対する重大な信用失墜行為である。直ちに是正されなければならないし、今田教育委員長はその職を続けるべきではない。

 また今田教育委員長は自由社版教科書について、「日露戦争の記述では愛情を持った表現が多かった」と発言したと報じられている。このような意味不明な、また一方的な見解が教科書採択の主な要因にされた点は、見過ごせない。日露戦争の「勝利」は一時的にアジアの人々に希望を与えたものの、その後の「脱亜入欧」的政策が、多くのアジアの人々に裏切りと見なされ、怒りと失望を覚えさせた史実を忘れている。この史実が他社の教科書には明記されている。とても教科書採択に権限を持つ人物の発言とは思えず、この教育委員長と自由社版教科書がアジアを蔑視し、アジアの人々の懸念を無視する共通性を持つことが見えてくる。国連ピースメッセンジャー都市であり、多くの民族が共生している横浜市においてこのような暴挙が行われたことは、これまでの市民の努力を踏みにじり、そして共生を妨げる恐るべき人権侵害にもつながることに気づくべき
である。何よりも生徒たちの教育の場にこのような教科書を無理やり持ち込もうとすることに怒りを禁じえない。

 さらに自由社版教科書は、扶桑社版から急いで起こしたような製版で、これまでの間違いに加えて、新たな不適切な内容や誤字誤植がまだまだ多数ある「似せブランド品」ともいうべき欠陥商品である。これで検定を合格させた文部科学省の責任にも重大なものがある。
 とりわけ、扶桑社版の沖縄戦記述「4月、アメリカ軍は沖縄本島に上陸し」に続けて、自由社版では「ついに陸上の戦いも日本国土に及んだ」と加筆し、それがそのまま検定で認められたのは、重大な事実誤認記述であり、看過できない。第1に、国土での陸上戦は、同年2月に始まった硫黄島(東京都小笠原諸島)の地上戦が最初であり、沖縄戦ではない。第2に、沖縄の地上戦は、本島上陸以前の3月26日に慶良間諸島への米軍上陸から始まっている。しかも、慶良間諸島では、この時「集団自決」事件が起きた。この「集団自決」に対する日本軍の強制を否定した2006年度高校「日本史」教科書検定に対し、沖縄県民を中心とする厳しい抗議を受けて、07年12月に文部科学省は、記述の再修正を認めた経緯がある。この「集団自決」の存在そのものを無視した記述を、07年次と同じ顔ぶれの検定官および検定審議会委員たちが誰一人として気づかずにいたとは、考えられない。「集団自決」そのものだけではなく、07年の沖縄県民の抗議等も存在しなかったかの如く、中学生に学習させようとしている点で、自由社版教科書は最悪のものである。同書を採択したことは、沖縄の人々に対する重大な背信行為である。
 このように、自由社の教科書では中学生の段階で、沖縄戦について誤った学習をさせられることになる。神奈川県では、高校の修学旅行で、沖縄に行き平和学習を実施している学校が多いことが知られている。中学段階でも、沖縄戦の史実を正しく学習できるようにしておくことは、教育委員会の責務であるはずだ。

 かつてこの横浜で提訴した高嶋(横浜)教科書訴訟を担ってきたわれわれとしては、以前から指摘してきた文部科学省の恣意的な教科書検定の問題点を目の当たりにして、このような杜撰な教科書検定なら不要であるとの指摘も改めてしておきたい。しかも、そうした誤りを指摘されていながら「検定に合格している」として、それらを一切不問とした8月4日の横浜市教育委員会審議は、容認できない。
 その文部科学省でさえ、「21世紀の教科書は思考力育成を重視して、すぐ答えや結論のみつかるものにしないこと」と通知しているが、教育委員会では「自由社版は問いの答えがすぐ書いてあって、予習・復習に適している」というレベルの低い議論に終始したことも問題である。

 また今回の採択には疑惑の声を聞く。横浜市教育委員会の今田忠彦委員長と藤岡信勝「つくる会」会長が何回も会い、自由社採択の内諾を得ているという情報が事前に流れ、教育委員会にも知らされていたという。このような疑惑が生じる教育委員長が教育行政のトップに君臨していることは、現場教師や市民無視の「教育改革」を進める横浜市の問題点を如実に示している。また教科書執筆者と採択者が接触することは独占禁止法に違反し、文部科学省の指導にも反している。 今回の採択は不公正・不正な犯罪的行為といえる。またやはり市民および現場教師等の声を聞かずにトップダウン型で横浜の教育をかき回してきた中田宏横浜市長の任命責任も当然問われるべきである。

 生徒たちの教育に責任を負う教育委員会が、政治的で乱暴なやり方で「つくる会」教科書自由社版を採択したことは、大人として極めて恥ずべき行為である。私たちはこの暴挙に対し、断固として抗議するとともに、採択の無効・撤回・やり直しを要求するものである。               以上

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2007年1月30日 (火)

NHK番組改編事件の高裁判決

皆様

 昨日、NHK番組改編事件の高裁判決が言い渡されました。判決は、バウネットが主張してきた「期待権」と「説明義務違反」を認める画期的な判決でした。判決直前まで、どのような判決になるのか全く予想でき
ず、不安で押しつぶされそうな気持ちでその瞬間を待っていましたが、「勝訴」を聞き、かつて経験したことのない喜びが体の底から沸き起こってきました。
 勝訴判決を勝つ取ることができましたのは、一重に皆様の力強いご支援・声援があったからです。心から心から感謝いたします。
 また、早くから傍聴に駆けつけてくださいました皆様、そして、夜の報告集会に駆けつけてくださった皆様、この喜びをたくさんの皆様と共にできたことを、大変嬉しく思います。本当にありがとうございました。

 以下、判決の内容についてポイントに絞ってご報告します。

■注目点
 バウネットはこの裁判で「期待権」(信頼利益の侵害)と「説明義務違反」を法的根拠としてNHKらの責任を問うてきました。しかし、「期待権」(信頼利益)は今までに判例がなく、どこまで被取材者の「期待権」が認定さ
れるか、また、NHKはガイドラインに掲げた説明義務は法的拘束力はないと主張してきたので、番組が変更されたことについて説明を怠ったことが「不法行為」として認定されるかということが最大の注目点でした。その
上で高裁の最大の争点である政治介入問題が「編集の自由」との関係でどのように判断されるかということでした。

■「編集の自由」について
 一審判決は、NHKの改変について「編集の自由の範囲内」としてNHKの責任を不問にし、番組制作会社のドキュメンタリー・ジャパンがバウネットに期待を抱かせたことのみを不法行為として100万円の賠償支払いを命
じました。しかし、今日の東京高等裁判所の南敏文裁判長は「NHKの本件番組の制作・放送については、憲法で保障された編集の権限を濫用し、又は逸脱したものといわざるを得ず、放送事業者に保障された放送番組編集の自由の範囲内のものであると主張することは到底できない」と、NHKの「編集の自由」を「濫用」「逸脱」と断じたのです。
 バウネットは裁判の中で、「編集の自由」は無制限に放送事業者に与えられた権利ではなく、「特段の理由」がある場合は制限されるものだと主張し、今回の改変に於いての「異常性」を立証し、今回のケースは「特段の事情」に相当するものであると主張してきました。判決はバウネットが主張してきた「特段の事情(理由)」を認め、前述のような明快な言葉でNHKの責任を断じたのです。

■政治家の介入について
 判決で最も注目されたのは、政治家の介入が番組改編に影響を与えたことが認定されるかということでした。それについて判決は、「右翼団体等からの抗議等多方面からの関心が寄せられてNHKとしては敏感になっていたこと、折りしもNHKの予算につき国会での承認を得るために各方面への説明を必要とする時期と重なり、NHKの予算担当者及び幹部は神経を尖らしていたところ、本件番組が予算編成等に影響を与えることがないようにしたいとの思惑から、説明のために松尾と野島が国会議員等との接触を図り、その際、相手方から番組作りは公正・中立であるようにとの発言がなされたというものであり」と、NHKが政治家に番組について説明したことの状況を明確な言葉で指摘し、「松尾と野島が相手方の発言必要以上に重く受け止め、
その意図を付度してできるだけ当たり障りのないような番組にすることを考えて試写に臨み、その結果、そのような形にすべく本件番組について直接指示、修正を繰り返して改編が行われたものと認められる」と、政治家との面会が改編に繋がったこと、NHKが政治家に過剰に反応したことを認めました。
 NHKは判決に対するコメントで「政治的圧力は認められなかった」としていますが、これは誇張的誘導的な判決のすり替えです。政治家の話に過敏に反応して改編を繰り返したということは、NHKが政治家の話を圧力と受け止めたということです。NHKのこのコメントは、安倍・中川氏らに対する釈明以外の何ものでもなく、このコメントを見れば、NHKが未だ視聴者・市民ではなく政治家に顔を向けていることは明らかです。

■説明義務違反について
 バウネットは取材依頼時に説明された内容と違う番組を作るならば取材協力者に説明するべきであったと主張してきました。もし、放送されたような番組になることが分かれば、取材協力をやめることや映像の使用を拒否する選択肢もあったのです。そのため、説明を怠ったことによりバウネットの「自己決定権」が侵害されたと主張しましたが、それについて判決は、放送された番組がバウネツトに説明された内容と「相当かけ離れた内容となることとなった」と認定し、「バウネットは説明を受けていれば、自己決定権の一態様として、番組から離脱することや善処方を申し入れたり、他の報道機関等に実情を説明して対抗的な報道を求めたりすること等ができたが、被告らが説明義務を果たさなかった結果、これらの手段を採ることができなくなったのであり、その法的利益を侵害されたというべきである」と、説明義務違反を明確に認定しました。

 まだまだ書きたいことは沢山ありますが、是非とも、この判決を皆様にじっくり読んでいただき、皆様からも判決評価を頂きたいと思います。

■今後の運動提起
 NHKは即日上告したようです。高裁では制作現場の長井さんや永田さんにより生々しい改編の実態が証言され、改編の異常性は誰にも否定できるものではありません。判決の丁寧で詳細な認定に向き合おうとせず、更に争うというNHKの姿勢は、NHKが自ら政治家との強すぎる関係に決別する意思のないこと、放送の自律を自ら手放すものであることを示しています。
 皆様、どうか上告したNHKの姿勢に対して抗議の声を沢山寄せてください。また、素晴らしい判決を書いた南敏文裁判長に、感謝の声を寄せてください。裁判官に「圧力」が向わないか心配です。そのためにも、是非、市民の支持を伝えていただきたいのです。
 集会では、安倍氏に対する罷免要求などの動きを作るべきではという声もありました。また、不誠実なNHKの態度に対して、橋本会長の責任を問うべきだとの声もありました。バウネットとしても今後の運動について議論をしますが、皆様も、どうぞ、それぞれ声を上げ、行動を起こしてくださいますよう、お願い致します。

 皆様のご支援・ご声援に、心から感謝をこめて        西野瑠美子

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